パラテコンドー福冨選手 メキシコで行われた世界選手権に挑戦しました。

NTI所属のパラテコンドー福冨伸彦選手。2023年度は次の通り、3カ国へ海外遠征を行いました。

7月 オセアニアオープン(オーストラリア):5位
〃  オーストラリアオープン(オーストラリア):3位
8月 ワールドパラテコンドーオープンチャレンジ(チュンチョン, 韓国):9位
9月 パラテコンドー世界選手権大会(べラクルス, メキシコ):17位

なかでも、パラテコンドー世界選手権は特に大きな大会で、パラリンピックに次ぐグレードの高い大会です。
福冨選手にとっても印象に残る大会だったとのこと、詳しくインタビューをしてきました!

世界選手権試合中1 世界選手権個人

ーー福冨さん、海外遠征、お疲れ様です。コンスタントに海外遠征をされて結果も残されていますね!今回はメキシコで開催された世界選手権に参戦されたとのこと。いかがでしたか?

「メキシコは初の長期遠征だったんですよ。通常、遠征は5日間から7日間程度なのですが、メキシコは日程やフライトの関係で13日間となりました。治安上の懸念から単独行動が許可されていなかったり、食事や気候が日本とぜんぜん違うことも体調に影響しましたね。世界選手権で結果を出さなくては、という気負いもあり、メキシコからの帰国後に珍しく体調を崩してしまいました。」

ーーそれは大変でしたね…メキシコはどのような国でしたか?メキシコの方とコミュニケーションなど取られましたか?

「そうですね、メキシコでも『ポケモン』や『ハイキュー!!』など日本のアニメが大人気なんです。スタッフの皆さんとは、アニメや日本文化の話題で盛り上がり、親交を深めることができました。会場で他の国の選手や観客から「一緒に写真撮らせてください。」と声をかけられることも多かったですし、メキシコの子供たちからお手製のお菓子詰合せのようなものも頂くこともありました。」

世界選手権開会式裏側1 世界選手権開会式裏側4

ーー華やかな世界大会らしいエピソードですね!世界選手権は非常に大きな大会とのこと。どのような印象を受けましたか?

「はい、世界選手権はパリパラリンピックの出場にも大きく影響を与える大会です。50か国以上の国から多くの選手が参加していました。初めて見る選手や最近は試合に出ていなかった選手なども参戦していて、1つの大会でこんなに多くの選手がいるのだと驚きました。開会式も各国が国旗を掲げながら行進して入場するなど盛大で、テレビで見た光景が目の前で繰り広げられることに興奮しました。」

世界選手権仲間1 1

世界選手権開会式裏側3

ーー滞在中はどのように過ごされていたのですか?洗濯や食事はどうされていましたか?

「基本的に洗濯は自分でしていますよ。今回はコインランドリーで洗濯をしましたが、無い場合はお風呂で洗濯して部屋に干すことも…。ですので、ハンガーや洗濯バサミ、洗剤などを持参することにしています。食事は付いていなかったため、朝は日本から持っていったレトルト食品や缶詰を食べたり、昼食や夕食は外食が多かったです。」

世界選手権食事4 世界選手権食事1

ーー2024年度はどのような活動をされていきますか?

「はい、既にベトナムで開催されたパラテコンドーアジア選手権と韓国で開始されたパラテコンドー世界オープンチャレンジに参戦しました。また、嬉しい事に今年度もテコンドー強化指定選手東京ゆかりパラアスリートに任命されました。パリパラリンピックは派遣階級に私の属する63㎏級が選ばれなかったことで出場が叶わず悔しく思っています。しかし、気持ちを切り替え、2026年に名古屋で開催されるのアジア大会、2028 ロスパラリンピック出場を目指してこれまで以上に精進していきます。」

アジア選手権個人3 東京ゆかりパラ個人

ーーもう次の目標に目を向けられているのは、さすがアスリートですね!福冨選手にとって、テコンドーの魅力はどんなところですか?

「豊富な蹴り(足技)ですね。単発の基本的な蹴りでは、試合で中々得点を取ることが出来ないため、フェイントを織り交ぜながら、相手に読まれない、又は反応できない蹴りを練習しています。レベルの高い試合では、そのような蹴りの応酬になるため、アクロバティックな足技などが見ていても魅力的です。また、防具を付けて実施する競技なので、安全面にも配慮されていて、コンタクトスポーツ(格闘技)の中では挑戦しやすい競技だと思います。」

ーーなるほど、技やルールを覚えたら更に楽しんで観戦できるスポーツなんですね!本日はありがとうございました。

(インタビュー後記)
鉄人の側面も持つ福冨選手、着実にアスリートとして実力を付けていかれているようですね!今後の活躍を期待しています。