韓国大邱市 スマートシティ視察 3日目 ~実際の大邱市の様子~

こんにちは。入社3年目になるNTIの木村です。3日目ということで、いよいよスマートシティのリアルに迫っていきます!
今回のブログは、韓国出張のリーダーとして同行メンバーを引っ張ってくださった、DXサービス推進本部 ネクストソリューション創出グループの岩波グループ長とお届けします!

ネクストソリューション創出グループはその名の通り、通信・非通信分野にとらわれない新しいビジネスの発掘・開拓をミッションとした組織」です。次のようなソリューションに取り組んでいますので、ご興味ある方は以下のリンクからぜひご覧になってくださいね。

アルコールチェック管理クラウドサービス「アル検くん」 – 日本テレマティーク株式会社 (nti.co.jp)
次世代ブラウザセキュリティ製品「ConcealBrowse」 – 日本テレマティーク株式会社 (nti.co.jp)

 

■いざ「スマートシティ」に迫る!

 

画像8木村君、韓国出張お疲れ様!
実際に韓国に行ってみて、スマートシティについて色々学んだと思うけど行く前と行った後のギャップとかあったかな?
スマートシティって、どんな感じを想像してたかな?

 

画像7岩波さんお疲れ様です!
私が「スマートシティ」と聞いて、イメージしていたのはデジタルサイネージで埋め尽くされている風景だったり、ロボットが動き回っている都市でした。実際に大邱市に行ってみると、自分が想像していたのとは違うなと感じましたし、驚きもありました。

 

画像8驚きもたくさんあったよね。例えば木村君にとって、どんなことが意外だったり、衝撃だったかな?
あとは、3日目は大邱市を案内していただいて、直接スマートシティに触れる機会があったけど、具体的などんなソリューションやサービスがあった?
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横断歩道に設置されているLEDライト

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意外だと感じたのは、思ったよりスマートシティのソリューションが都市に溶け込んでいたことです。例えば、歩道に設置されているLEDライトは、「日本の信号と少し違うな」と感じるだけで、正直にいうと最初は目を引く感じではなかったです。
しかし、スマホを触りながら歩いていると目線がずっと下にあるので、地面にあるLEDライトおかげで信号が赤なことに気付き、大邱市で過ごしていくうちにその便利さを実感しました。

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歩きスマホは日本でも大きな問題になっているよね。歩きスマホ自体を止めようと思っても、中々難しいところはあるけど
LEDライトの設置は歩行者の目線が下を向きがちなのを上手く利用した、交通の安全性を高める良いソリューションの例だよね。
変わりゆく人の生活に柔軟に合わせていく重要さを実感したね。
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ポイントが貯まるリサイクルマシーン

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こちらは、ペットボトルのリサイクルができるサービスです。ゴミを捨てるだけではなく環境保全に貢献できるサービスがあるのはよいですよね。また、こちらのサービスは自分のアカウントと銀行口座を連携することによって、リサイクルをしたときに溜まったポイントをウォンにして口座に振り込めるそうです。

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ただ正しくごみを捨ててもらうだけではなくて、ポイントが貯まるとお得という「付加価値」があることによって、魅了的なスマートシティ作りができているよね。市民の意見で作られたサービスもあると思うけど、日本だと中々意見を言う場がないよね……。
大邱市の場合は、どうやって市民の意見を取り入れているのかな。

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大邱市では以下のように、市民がまちづくりに関われるようなプラットフォームがあります。中には予算編成に参加できるようなプラットフォームもあって、市民の生活にとても寄り添っているなと強く感じました。何よりきちんと市民にそういったプラットフォームがあることを周知できていることも素敵だと思いました。

 

 

プラットフォーム 内容 アクセスURL 参加人数/開催頻度
トーク大邱 政策への参加  www.talk.daegu.go.kr 351,000人/月
懇談会 市政に対する意見と政策反映 www.daeguwontak.kr 7201名(20回)
住民参加型の予算編成システム  国民の行政需要を予算に反映  jumin.daegu.go.kr 年間41回

 

 

■まとめ

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ここまで、韓国で見てきたことを皆に向けて共有してもらったけど
木村君にとって今回の出張で学んだ一番重要なことはなんだったかな?日本のスマートシティ作りにおいて取り入れたいサービスだったり、影響を受けた考え方とかも教えて欲しいです!

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私が一番大切だなと思ったのは「住民の主体性」です。まちづくりには住民の協力が必要なのですが、行政・企業が利益重視で強制的に施策を進めてしまうことによって、地域の住民は「どうせ意見なんか通らない」と諦めてしまう傾向があると思います。むしろ住民と行政の対立が深まってしまって、どんなに良い施策でも、不信感や反抗したい気持ちのほうが大きくなってしまうケースもあります。

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たしかに、選挙の投票率が低い原因の一つに「投票してもしなくても世の中は変わらないと思うから」と諦めてしまっている若者がいることが挙げられているよね。最初のうちは積極的に意見を言っても、意見が無視されたり、ないがしろにされることによって、主体性を失ってしまうことはどんな組織でも起こりうるね。

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どんなに小さい要望でも取り入れようとする姿勢がポイントですね。例えば「無料Wi-Fiは英語表記ではなくて、ハングルにしてほしい」「公園のベンチでスマホの充電ができたらいいな」というような要望が実際にあり、その実現に向けて動いているそうです。
そうすると住民は一種の「成功体験」を得て、「もしかしたら他の意見も通るかもしれない」と期待を抱くようになります。

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住民の要望が実際に叶えられるとなると、当事者意識も湧いて、住民自ら地域をより良くしたいという強い想いが生まれてくるかもね。たとえ住民の意見が通らないことがあったとしても、理由付けや検討するまでの過程がクリアになれば、納得してもらえる可能性は大いにあるよね。

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そうですね、少しずつでも住民の願いをかなえて信頼関係を築くことが重要になってきますね。これは短期間ではできないことなので、長期的にやっていく必要があると感じました。行政・企業側もスマートシティ作りをするにあたって、法律や条例への理解を深めなければならないので、予想よりスマートシティ作りに時間がかかるなと思いました。

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大邱市のスマートシティ作りは2016年から始まってなお、まだまだ改善しようとしている動きはあるから、基盤作りからしっかり計画を練って、スマートシティを推進していく必要があるね。NTIもインフラ・アプリケーションの観点から、スマートシティ作りに貢献できないか、試行錯誤していきたいところだね。木村君ご説明ありがとうございました!

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そうですね!NTIの強みでもある「インフラ・アプリに関わらず、設計・構築・ 保守・運用に至る様々な業務をワンストップで」を活かせる部分を探していきたいです。こちらこそ、ありがとうございました!