韓国大邱市 スマートシティ視察 2日目 ~いざスマートシティ作りに迫る~

こんにちは。入社3年目の木村です。
前回は「韓国大邱市 スマートシティ視察 1日目」ということで、韓国大邱市の様子をお伝えしましたが
いよいよ「スマートシティ」について、お伝えしていこうと思います。

スマートシティの基本が学べるブログになっていますので、スマートシティ作りに興味を持ち始めた方におすすめです!

 

■スマートシティってなに?

とはいえ、そもそもスマートシティってどんな意味?と思う方のほうが多いと思いますので
ちょっと前に流行ったChatGPT君に、スマートシティの定義を聞いてみましょう!

“スマートシティとは、情報通信技術(ICT)を駆使して都市のインフラやサービスを効率的に管理・運営し、住民の生活の質を向上させることを目指す都市のことです。スマートシティは、持続可能性や経済発展、安全性の向上を目的とし、エネルギー、交通、医療、教育など多岐にわたる分野で先進技術を活用しています。”

さすがAIですね……とても分かりやすい説明です。

 

■大邱テクノパーク

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実際に大邱市で「スマートシティ」についてお話しを聞いたのは、「大邱テクノパーク」(上の写真)という場所でした。
大邱テクノパークは、公式ホームページによると

Daegu TechnoPark supports the technological advancement of local industries and the innovation growth of technology-intensive companies by establishing an organic cooperation system of local industries, universities, research institutes, and government agencies. It also plays a role as a regional innovation hub that contributes to revitalizing the local economy and developing the national economy.

引用:DGTP – DAEGU TECHNOPARK

大邱テクノパークは、地元企業や大学、研究所や政府機関の密な協働体制を設立することによって
地元企業の技術的な躍進や技術的集約型の企業が、革新的な成長をできるようにサポートしています。
また、地域経済の活性化と国の経済の発展に貢献する地域イノベーションハブとしての役割も果たしています。(おおよその訳です)

 

■緻密に練られたスマートシティ計画

大邱市がスマートシティ計画を本格的に始動したのは、2016年からです。20240522 091359その名も「Daegu Future Vision 2030」2030年には、「産業成長」「市民の幸福」が共存する世界首都になることを目指しています。

現在多くの国で問題となっている少子高齢化・就職率の低下・都市への人口流入。韓国でも、もちろんこれらの問題は注視されており、あらゆる社会問題の解決の糸口になり得るのが、スマートシティ作りです。

スマートシティ化が進むことによって、人が住みやすく・離れにくい環境が生まれると、人口減少の歯止めになるきっかけになりますよね。さらにスマートシティ作りを進める過程で、新しいサービスやプロダクトを生み出す人材も必要になってきます。大邱市では積極的に企業を誘致していることもあって企業数が増えており、就職先の選択肢の増加にもつながります。

 

■スマートシティのためのインフラ整備

IMG 8469スマートシティ作りを始めるといっても一体なにから取り掛かればいいのかと悩みますし、疑問に思いますよね。

答えとしてはシンプルで、「インフラ」がポイントになってきます。何もないところから街を作ろうと思ったら、道路を敷いたり、電気・水を使えるようにするところから始まりますよね。

スマートシティも同じで、電気・水の代わりに「データ」の通り道を用意してあげることが大事です。
例えば大邱市では、2016年から2019年にかけて独自のネットワークを構築しました。

行政やオペレーションセンターがレンタル網ではなく、自社通信網を使用することによるコストの削減
CCTV(左画像)での情報を、安心・安全に収集できるなどのメリットを生み出すためです。

 

IMG 8481また、データの通り道だけではなくて管理する場所も必要になってきますよね。
それが右の画像にもある「大邱スマートシティセンター」です。

こちらのセンターにはデータハブがあり、あらゆるデータを蓄積・処理し、ビッグデータ解析を行っています。
CCTVから交通状況の把握をし、混雑具合によって信号をコントロールなんてことも可能です。

データは関係省庁や地方公共団体等と共有され、それぞれの組織がデータを活用して、スマートシティ作りを進めるかたちになります。

 

■データを活用したソリューション

では実際に大邱市の企業がデータを活用して、どんなソリューションを生み出しているか見てみましょう。多くの企業の説明を聞きましたが、本ブログでは1つの企業をご紹介させていただきます。

20240522 145737今回お邪魔させていただたいたのは、「wkit」様(左画像)です。
AI動画分析を中心に、様々なサービスを展開している企業です。

まず、VISCOPERと呼ばれるサービスは、CCTV映像内の人や車を検出及び再識別することによって、移動経路を追跡するソリューションです。※VISCOPERは、wkitの登録商標です。

行方不明者や犯罪者の追跡に使用できるサービスですね。また、野生動物の検知にも利用でき、動物保護や農作物保護の観点でのソリューションでもあります。

 

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※イメージ図

また、CROWDWATCHERというソリューションはCCTV映像を基盤とし、AI分析技術でドミノ倒しの危険さを事前に検知できます。※右はイメージ図
このソリューションは、梨泰院雑踏事件をきっかけに誕生し、開発期間は九か月だそうです。群衆の密度によってリアルタイムでアラームを発報できます。※CROWDWATCHERは、wkitの登録商標です。

各ソリューションの詳しい説明は、wkit様のホームページにて確認できますので、是非見てみてください!(他にも色んなソリューションがあって面白いですよ)

2日目のブログはいかがでしたでしょうか。
3日目のブログは、実際に大邱市を歩いてまわった時の様子をお伝えする予定なので、興味のある方はぜひご覧になってください。

それではさようなら!