その後のDX(デジタルトランスフォーメーション)市場、何が変わってきている?【 Vol.1 】

ネクストジェネレーションワークスタイルグループの荒木です!
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第1回 そもそも「DX」って? 従来のIT活用・改善と何が違う?

【 DXの定義と日本のガイドライン 】
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)という概念・言葉は、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン(Erik Stolterman)教授によって提唱されました。 当初の定義では、「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」と説明しています。

画像 Erik Stolterman教授

写真: Erik Stolterman 教授
https://www.dxlab.jp/new-dx

その流れを受けて、経済産業省が2018年に「DX推進ガイドライン」を公表し、デジタルトランスフォーメーションを抽象的に企業が取り組むべきフレームワークとして提唱しました。 最新版は、「デジタルガバナンス・コード2.0」として改訂されています。(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html)。

【 DXの定義改訂(以下は、デジタルガバナンス・コード2.0から抜粋)】
2022年2月、エリック・ストルターマン教授は、DXを推進する日本の様々な組織の現状に合わせて、社会、公共、民間の3つのレベルで、デジタルトランスフォーメーションの定義を以下の通り再策定しました。 本定義にあたっては、日本の社会と企業の競争力と成功を高めることをビジョンとして掲げる株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所とのコラボレーションで定義されています。
“The digital transformation can be understood as the changes that the digital technology causes or influences in all aspects of human life.”
人々の生活のあらゆる側面に、デジタル技術が引き起こしたり、影響を与える変化のこと
出典: https://www.dxlab.jp/new-dx (下記3つのDXの説明を含む)

社会のDX
DXは、人々の生活のあらゆる側面に影響を及ぼす。DXは単なる技術的な発展ではなく、社会を構成する私たちが、リアル空間とデジタル空間が融合し高度に複雑で変化する世界にどのように関わり、接するかに影響を与える広く深い変化である。DXはよりスマートな社会と、一人ひとりが健康で文化的なより良い生活を送れるサステナブルな未来の実現をもたらしうる。

公共のDX
DXは、あらゆる組織や分野でスマートな行政サービスを展開し、革新的な価値創造を支援することができるものである。また、DXは住民をより安全・安心にし、快適で持続可能な社会へと導くことができるソリューションを生み出すことで、住民の幸せや豊かさ、情熱を実現し、地域やエリアの価値を向上させることを可能にする。DXは既存の仕組みや手続きへの挑戦、より住民本位の革新的な解決策を協働で考えることを促す。DXを推進するためには、組織のあり方や文化を革新的、アジャイル、協調的に変革することが必要である。DXは、トップマネジメントが主導して行うものでありながら、全てのステークホルダーが変革に参加することを求められる。

民間のDX
DXは、企業がビジネスの目標やビジョンの達成にむけて、その価値、製品、サービスの提供の仕組を変革することである。DXは顧客により高い価値を提供することを通じて、企業全体の価値を向上させることも可能にする。DXは戦略、組織行動、組織構造、組織文化、教育、ガバナンス、手順など、組織のあらゆる要素を変革し、デジタル技術の活用に基づく最適なエコシステムを構築することが必要である。DXは、トップマネジメントが主導し、リードしながら、全従業員が変革に参加することが必要である。

【 従来のIT活用・改善と何が違う? 】
従来、企業が業務の効率化の為にIT/ICTを導入してきたことは、現在「デジタイゼーション」や「デジタライゼーション」として説明されており(経産省・国連開発計画、UNDP)、それに対し「デジタルトランスフォーメーション」は、デジタル技術の活用によって新しい商品・サービスを創造・提供したり、新たなビジネスモデルの開発を通して社会制度や組織文化なども変革していくような取組みを指す概念、と経産省は説明しています(下図)。

n1202010

(出典)総務省(2019)令和元年版情報通信白書を一部改変

第2回以降では、この違いを経営層、現場・業務、企業顧客やユーザ/働く人など異なる視点で説明していきます。

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