NTIの藁科です。第6回では、アルコール検知器の選び方の話をさせてもらいました。
連載ブログ 第6回「安い検知器って大丈夫なの?アルコール検知器の選び方」
そのなかで「値段」の安い検知器についてふれましたが、今回はその続きで「精度」についてお話していきたいと思います。
次の2点が、アルコール検知器の品質精度についての重要ポイントです。
センサーの違い
まず、アルコール検知器に搭載されているセンサーは、「半導体ガスセンサー」と「電気化学式センサー」の2種類あります。
簡単にいうと、安い検知器は「半導体ガスセンサー」、高い検知器は「電気化学式センサー」が使用されていると思ってもらって良いです。
(「半導体ガスセンサー」でも通信機能やシステム化されていたりすると高かったりしますが。)
半導体ガスセンサーは、検出単位が0.05mg/lで、0.05mg/l未満を0.00mg/lと表示するものが多いです。またアルコール以外のガスに反応する誤検知も比較的多く、更に個体による品質精度のばらつきが多いのも特徴です。
電気化学式センサーは、半導体ガスセンサーに対して、アルコール以外のガスに対する誤検知が少ないこと、経年劣化が少なく長寿命、個体による品質精度のばらつきが少ないという特徴があります。
業界的には、半導体ガスセンサーの検知器をプライベート用、電気化学式センサーの検知器をビジネス用と棲み分けていたりしますが、一般消費者にはそのあたりの情報はうまく伝わってないのかもしれませんね。
半導体ガスセンサーの品質管理
半導体ガスセンサーは個体による品質精度のばらつきが多いため、メーカー側で出荷前に一定期間のエイジングと全数検品が必要とされています。
また、センサー製造直後は特性が不安定なため、安定するまで2~3ヶ月程度のエイジングが必要とも言われています。
ただし、受入検品やエイジング、出荷前の全数検品をしなくても販売できてしまうのが市場の実態なので、導入後の精度に関するトラブルが発生している場合は、このあたりの工程を経ていない製品を購入している可能性もあるかもしれません。
前回ブログでもお伝えしましたが、安い検知器のすべてが駄目ではないので、信頼できる製品を選べるような知識を持っていることが大事です。
その際はやはりこちらからアルコール検知器協議会の認定品を目安にするのが良いと思います。
幸いにもアルコール検知器には寿命がありますので、いま認定品でないものを使用されている場合であっても、定期的なメンテナンスや買い替えの際に見直していけると良いですね。