DXに必要なマインドセットとは???(社内DX推進プロジェクトVOL.4)

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人と文化の相関関係

経営企画部の片岡です。

前回のブログはこちら

以前、DXの本質は「企業文化の変革」であるという事をお話ししました。

なぜDXしないといけないの?(社内DX推進プロジェクトVOL.2)

「文化」は人が紡ぎ出すものである。その一方、人は「文化」に大きく影響を受ける、という不思議な相関関係にあると思います。
「企業文化」も同様で、社員の意識や行動が「企業文化」を作り、「企業文化」に社員は染まっていきます。
その「企業文化」が従来型踏襲を重んじていたら?発想の転換や変化を受け入れないものであったら?縦割り組織を重要視していたら?
長い年月を掛け、新しいものを受け付けず属人的な企業文化が強化されていく事になるかもしれません。

 

変化を阻むメンタルブロック

NTIでは、環境活動の一環として長年に渡り用紙使用量削減の活動を行ってきました。
用紙使用枚数

 

活動を始めてまだ間もなかった2006年度、NTIの用紙使用量は100万枚を超えていました。お客様提案から納品、社内処理の全てが膨大な量の「紙」で行われていた時代です。一方、直近の2022年度では6万枚を切っています。2006年度比では実に94%削減ということになります。

順調に削減を進めてきたNTIですが、2016年度を境に使用量が横ばいになります。その状態が3年間継続した2019年4月、「個人の努力に頼る削減活動はもう限界であろう。積極的な削減活動は終了しウォッチを続ける」という判断を下しました。

この判断を下すまでに、様々な人にヒアリングをしました。
「これ以上、どこを減らせばいいの?」
「目検だと、ミスが発見できないよ」
「業務効率化とトレードオフだね」

当時の私の感想も、「確かにその通りだな、もう減らないだろうな」というものでした。長く活動を続ける中で、できることには手を尽くしてきました。
「今後はシステム導入などを検討する」という方針を立てたものの具体案は思いつかず「増えなければ良いかな」という気持ちでした。

そして、2020年1月、国内初の新型コロナ感染者が確認されます。
不安の中、流布する情報に右往左往しつつ、NTIも2020年4月から否応なしの全面在宅勤務に突入しました。

在宅勤務に入ると、現実として紙の印刷はできなくなりました。新型コロナの流行波に伴い全面在宅勤務と出勤可能を繰り返し、印刷機会が激減したのです。また、在宅勤務での資料持ち帰りはNGとなっているため印刷物自体が意味を為さず「紙を利用する文化」がみるみる衰退していきました。
そして、最終的に、2022年度はコロナ禍前の2019年度比で77%も削減されたのです。

メンタルブロック」 コトバンクによると・・・
「人間が何か行動等を起こす場合に、出来ない、ダメだ、無理だと否定的に考えてしまう思い込みによる意識の壁、あるいは抑止・制止する思考のこと。」ということのようです。

NTIの紙使用量削減の活動も、2019年の判断の時点で「紙を使用しないと業務は遂行できない」というメンタルブロックが掛かっていたのだろうと思います。
しかし、コロナ禍の中、結果論ではあるものの「紙を使用しなくても業務は遂行できる」ということが証明されました。
多少のシステム化の影響はもちろんあるでしょう。ただ、この削減状況は、それだけでは説明できないのです。
コロナ禍での在宅勤務という逃れられない環境によってメンタルブロックが外れ、「紙を使わず業務を行うにはどうすれば良いのか?」ということを社員が考え工夫した結果なのだと思います。

 

DXに必要なマインドセットとは???

例えば、私の考えるメンタルブロックはだいたい下記のようなものから構成されています。
・出来ないことを前提とする。(「やらなくていい」という大きな安心感があります)
・出来ない理由を探す。(すぐに100個くらい見つかります)
・こっそり仲間?を探す。(最高に居心地が良いです)

さて、このような考えの持ち主が作る企業文化とはどのようなものになるでしょうか。
従来型踏襲はもちろん、モチベーションは低く、言い訳は多く、他人の目ばかりが気になる。上司の顔色を優先するかもしれません。
そして、たどり着くところは「思考停止」なのだと思います。
「思考停止」文化は瞬く間に他の社員に伝染していき、企業文化として深く根付いていきます。

DXの本質は「企業文化の変革」です。
企業が継続的に成長を続けるためには、どんなマインドセットが必要か。
一度、じっくりと考えてみる必要がありそうです。

つづく。